ずっと塗装から逃げていた。
重くて長いぜ。
#正直逆恨みもいいところなのでこうやって文字として起こすこと自体にはいささか躊躇もあったものの、打てるわ打てるわキーがすらすら進むわwwwww
組み立ててシールを貼って‥といった「プラモ」を、まずはストレートに組んで必要があれば手を加えて、その後表面処理をして塗装をして‥といった「模型」として意識するようになったのは中二くらいの頃からだったろうか。
中学の時、確か文化祭絡みで1/144トールギスIIを作った。
よせばいいのにポリパテで頭部をエヴァ零号機改にしようとした気がする。
塗装はMrカラーのアクリル青と白で。
見た目が筆ムラまみれだったくらいしか覚えてない。
高校の時、やっぱり文化祭で学校の金でWAVEの1/100ジュノーンを組んだ。
組んで表面処理をしてスプレー缶でサフ吹きまでして、オイルステインの木の台に載せて時間切れ。
今思えば〆切アリで作ったのはこの時が最初で最後だったので、いい経験にはなったろうね、多分。
ちなみにこのジュノーンは今もサフを吹かれた当時の状態のまま。
その後は模型を組んで改修をする方にエネルギーを注ぐことはあっても、塗装には手を付けられずにいた。
もっと言ってしまうと、表面処理まで上手く行っていても、塗装で失敗すると全て水の泡になる、というプレッシャーでずっと塗装から逃げていた。
言い換えれば、完成まで漕ぎ着けていない自分への言い訳にしていた。
さらにたちが悪いことに、模型誌のキャラクターモデル系は右を見ても左を見てもほぼエアブラシで塗装されていた。
読んでいた雑誌がスケールモデル系ならまだよかったんだろうけどね。
「模型はエアブラシでないときれいに塗装できない」という先入観から、どんなにそこまでの工程がしっかりできていても結局エアブラシがなければ最終品質が一気に落ちる、と今思えばとんだ思い上がりながら、そう考えていた。
----------
ある時ハッと気がついた。
大学での専攻。
産業翻訳の仕事のための学習。
必死にもがいても周りについていけなかった、別の職を始めて必要なくなったという事情はあるにせよ、自らの意志で進めたのにそれが結果に結びつく前に離れていったという事でいえば模型と何が違う?
表面処理まで進めて塗装から逃げ出している模型と、結果だけ見たら何が違う?
「エアブラシがないから塗装ができない」
今回はまだ間に合う。
このジンクスを断ち切れるのは自分だけだ。
いい加減この馬鹿げた言い訳も終わりにしよう。
始めるにあたり、まずは自分に一つルールを課す。
「今後塗装待ちのキットがなくなるまで表面処理以外手は加えない」
そう、あくまでもストレート組みとする。
塗装の場数を踏むことが最優先課題。
たまに模型誌で筆塗り関連の記事を見かけてもせいぜい部分塗装で、筆塗りだけで全塗装するのはよっぽど大変なんだなと覚悟を決めてとっかかる。
いきなり本番は危険だ。
幸い練習に使えるジャンクならある。
そっちでまずは十分に練習しようか。
ツヤありでも拍子抜けするほど筆ムラも出ずあっさり仕上がった。
ミスった場所もABSでなければシンナーで落としてやり直しがきいた。
アレ?シンナーってプラ溶かすんじゃないの?大丈夫なの?大丈夫だった。
まぁ脆くなってるケースもあったので過信はし過ぎないようにしようか。
作業を進めるにつれて少しずつ理解が進む。
塗料の乗り方のクセ。
ちょうどいい濃度。
ムラの出にくい筆運び。
塗り進める面の効率的な順番。
スプレー塗装する際の希釈比率。
そうしてした事柄を一つ一つ備忘録として残す。
なんだろう、楽しい。
学ぶことが楽しいと感じたのはもしかしたら初めてかもしれない。
確かにエアブラシを用いることでしか表現できない技法はある。
だから何?その技法使わないとダメなの?死ぬの??
エアブラシがあり、なおかつ必要があれば使う。
ないなら別のアプローチを取る。
ただそれだけの事。
思い通りに行かないかもしれない。
自分の下手さが納得出来ないかもしれない。
自身のセンスの悪さを後悔するかもしれない。
積み上げたものを最後の一手で崩してしまうかもしれない。
どうせ作るのなんて自分のためだろ?
腹くくれよ。
全部受け入れる覚悟をしろ。
今ならそれができるだろ。
塗装済みのABSのパーツが塗料皿に落ちた。
肘は砕け、モールドは埋まった。
ツヤ消しのトップコートが思った以上に効いた。
メリハリは失われ、イメージから乖離した。
だからどうした。
最後までやるんだよ。
手を止めるな。
完成させろ。
やり直しが許されるなら、納得行くまで足掻けばいい。
無傷のまま未塗装のまま立ち尽くすだけで成長できるなら苦労はねえよ。
----------
覚悟を決めて8ヶ月。
習作代わりの会津若松城が完成した。
本命のアーキテクトが完成した。
スティレットの本体の塗装が終わった。
ジャンクパーツで組み上げたブースターユニットの基本塗装が終わった。
轟雷の大雑把な全体塗装が終わった。
気がついたら塗装に対する苦手意識は綺麗さっぱりなくなっていた。
ずっと言いたかった。
この20年間ずっと言いたかった。
ようやく言える。
塗装も案外楽しいじゃん。
----------
厄落としついでにもう少し続きを。
20年ほど前、当時はインターネットもまだ十分に浸透しておらず、また第一次ガンプラブームのように模型をやっている人間が周りに何人もいるような状態でもなかった。
情報源としては月イチで刊行される模型誌がほぼ全てだった。
プロのモデラーの作例が掲載されている模型誌では新作キットをそのまんまの形で作る人なんて当然おらず、プラ板やパテ、バキュームフォームにニコイチと言った形で「誌上で新作キットの欠点を明記して」それを改善している作例がきらびやかに並んでいた。
あとはお察しの通り。
とりあえずガンプラ前提で話を進めるけど、「市販されているガンプラはプロポーションなり再現性なりに不足があって、模型作りはそれを大なり小なり修整して当然」と意識下で刷り込まれてしまったのが悲劇の始まり。
今ならはっきり言えるけど、あれはプロが対価を得る仕事として紙面に載せた「作例」であり、アマチュアどころか技術の下地も何もないガンプラを始めたばかりの中学生が同じようなスタンスで模型と付き合う必要なんて最初からなかったし、できるわけもなかったんだよな。
もちろんああいった作例に刺激を受けてプロの道に進んでいく人もいるし、アイディアを自分で応用したりといった創造的な触媒としての作用は否定しないけど、「出たばかりの新作キットを(比較的)オフィシャルなメディアで徹底改修する」っつースタンスは本当に害悪だと僕は思う。
金属線を通しての補強だったりパテの使い分けや裏打ち、後ハメ加工などといった個々のノウハウに関しては自分の血となり肉となっているので、そのあたりにはすごく感謝しているけどね。
#専攻も産業翻訳の学習も、全く別の分野で役に立っているので無駄にはなっていなかったけれど、まぁこれは余談っすよね。
最近だと部分塗装を結構推しているらしく、近年のMGとかの色分けを考えると実際合理的なんだけど、これも同時に「筆塗りで全塗装を行うのは難しい」という先入観を読者に与えている面は少なからずあるんじゃないかな。
ただ、始めたばっかの人が塗料を揃えるにあたって部分塗装だとまずは最小限で済む、ってのは裾野を広げるためにすごくいいメリットだと思うわ。
初心者が入ってこれないとそのジャンルは本当に死ぬ。
自分では死んでいないつもりでも生きたまま腐り果てる。
結局、面積やパーツ数が増えれば増えるほどめんどくさいだけで、ある程度の品質のものを筆塗りで全塗装すること自体は別段難しくはないんじゃないかと、まともに初めて1年以内のズブの素人の僕は思う。
強いて言えば筆先のブレを抑えるために体幹はしっかりしていたほうがいいとは思いますけどね(脳筋)
----------
今はツールを出している各社の努力のおかげで、どの工程も効率的に進められるようになっている、とこれは強く感じる。
初心者ほどPCのスペックはケチるな、じゃないけど20年来の苦手意識を克服できたのは自分がド素人なのを自覚してしっかりツールに頼ろうという姿勢を取ったからだと思うわ。
中学~大学の頃の自分だったら妙な自意識が邪魔をしてこうはならなかったろうね。
さて、あと何体塗りゃいいんだ?wwwwww
当分塗る対象には困らんぜこれはwwwwwwwwwwwwwwwwww
重くて長いぜ。
#正直逆恨みもいいところなのでこうやって文字として起こすこと自体にはいささか躊躇もあったものの、打てるわ打てるわキーがすらすら進むわwwwww
組み立ててシールを貼って‥といった「プラモ」を、まずはストレートに組んで必要があれば手を加えて、その後表面処理をして塗装をして‥といった「模型」として意識するようになったのは中二くらいの頃からだったろうか。
中学の時、確か文化祭絡みで1/144トールギスIIを作った。
よせばいいのにポリパテで頭部をエヴァ零号機改にしようとした気がする。
塗装はMrカラーのアクリル青と白で。
見た目が筆ムラまみれだったくらいしか覚えてない。
高校の時、やっぱり文化祭で
組んで表面処理をしてスプレー缶でサフ吹きまでして、オイルステインの木の台に載せて時間切れ。
今思えば〆切アリで作ったのはこの時が最初で最後だったので、いい経験にはなったろうね、多分。
ちなみにこのジュノーンは今もサフを吹かれた当時の状態のまま。
その後は模型を組んで改修をする方にエネルギーを注ぐことはあっても、塗装には手を付けられずにいた。
もっと言ってしまうと、表面処理まで上手く行っていても、塗装で失敗すると全て水の泡になる、というプレッシャーでずっと塗装から逃げていた。
言い換えれば、完成まで漕ぎ着けていない自分への言い訳にしていた。
さらにたちが悪いことに、模型誌のキャラクターモデル系は右を見ても左を見てもほぼエアブラシで塗装されていた。
読んでいた雑誌がスケールモデル系ならまだよかったんだろうけどね。
「模型はエアブラシでないときれいに塗装できない」という先入観から、どんなにそこまでの工程がしっかりできていても結局エアブラシがなければ最終品質が一気に落ちる、と今思えばとんだ思い上がりながら、そう考えていた。
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ある時ハッと気がついた。
大学での専攻。
産業翻訳の仕事のための学習。
必死にもがいても周りについていけなかった、別の職を始めて必要なくなったという事情はあるにせよ、自らの意志で進めたのにそれが結果に結びつく前に離れていったという事でいえば模型と何が違う?
表面処理まで進めて塗装から逃げ出している模型と、結果だけ見たら何が違う?
「エアブラシがないから塗装ができない」
今回はまだ間に合う。
このジンクスを断ち切れるのは自分だけだ。
いい加減この馬鹿げた言い訳も終わりにしよう。
始めるにあたり、まずは自分に一つルールを課す。
「今後塗装待ちのキットがなくなるまで表面処理以外手は加えない」
そう、あくまでもストレート組みとする。
塗装の場数を踏むことが最優先課題。
たまに模型誌で筆塗り関連の記事を見かけてもせいぜい部分塗装で、筆塗りだけで全塗装するのはよっぽど大変なんだなと覚悟を決めてとっかかる。
いきなり本番は危険だ。
幸い練習に使えるジャンクならある。
そっちでまずは十分に練習しようか。
ツヤありでも拍子抜けするほど筆ムラも出ずあっさり仕上がった。
ミスった場所もABSでなければシンナーで落としてやり直しがきいた。
アレ?シンナーってプラ溶かすんじゃないの?大丈夫なの?大丈夫だった。
まぁ脆くなってるケースもあったので過信はし過ぎないようにしようか。
作業を進めるにつれて少しずつ理解が進む。
塗料の乗り方のクセ。
ちょうどいい濃度。
ムラの出にくい筆運び。
塗り進める面の効率的な順番。
スプレー塗装する際の希釈比率。
そうしてした事柄を一つ一つ備忘録として残す。
なんだろう、楽しい。
学ぶことが楽しいと感じたのはもしかしたら初めてかもしれない。
確かにエアブラシを用いることでしか表現できない技法はある。
だから何?その技法使わないとダメなの?死ぬの??
エアブラシがあり、なおかつ必要があれば使う。
ないなら別のアプローチを取る。
ただそれだけの事。
思い通りに行かないかもしれない。
自分の下手さが納得出来ないかもしれない。
自身のセンスの悪さを後悔するかもしれない。
積み上げたものを最後の一手で崩してしまうかもしれない。
どうせ作るのなんて自分のためだろ?
腹くくれよ。
全部受け入れる覚悟をしろ。
今ならそれができるだろ。
塗装済みのABSのパーツが塗料皿に落ちた。
肘は砕け、モールドは埋まった。
ツヤ消しのトップコートが思った以上に効いた。
メリハリは失われ、イメージから乖離した。
だからどうした。
最後までやるんだよ。
手を止めるな。
完成させろ。
やり直しが許されるなら、納得行くまで足掻けばいい。
無傷のまま未塗装のまま立ち尽くすだけで成長できるなら苦労はねえよ。
----------
覚悟を決めて8ヶ月。
習作代わりの会津若松城が完成した。
本命のアーキテクトが完成した。
スティレットの本体の塗装が終わった。
ジャンクパーツで組み上げたブースターユニットの基本塗装が終わった。
轟雷の大雑把な全体塗装が終わった。
気がついたら塗装に対する苦手意識は綺麗さっぱりなくなっていた。
ずっと言いたかった。
この20年間ずっと言いたかった。
ようやく言える。
塗装も案外楽しいじゃん。
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厄落としついでにもう少し続きを。
20年ほど前、当時はインターネットもまだ十分に浸透しておらず、また第一次ガンプラブームのように模型をやっている人間が周りに何人もいるような状態でもなかった。
情報源としては月イチで刊行される模型誌がほぼ全てだった。
プロのモデラーの作例が掲載されている模型誌では新作キットをそのまんまの形で作る人なんて当然おらず、プラ板やパテ、バキュームフォームにニコイチと言った形で「誌上で新作キットの欠点を明記して」それを改善している作例がきらびやかに並んでいた。
あとはお察しの通り。
とりあえずガンプラ前提で話を進めるけど、「市販されているガンプラはプロポーションなり再現性なりに不足があって、模型作りはそれを大なり小なり修整して当然」と意識下で刷り込まれてしまったのが悲劇の始まり。
今ならはっきり言えるけど、あれはプロが対価を得る仕事として紙面に載せた「作例」であり、アマチュアどころか技術の下地も何もないガンプラを始めたばかりの中学生が同じようなスタンスで模型と付き合う必要なんて最初からなかったし、できるわけもなかったんだよな。
もちろんああいった作例に刺激を受けてプロの道に進んでいく人もいるし、アイディアを自分で応用したりといった創造的な触媒としての作用は否定しないけど、「出たばかりの新作キットを(比較的)オフィシャルなメディアで徹底改修する」っつースタンスは本当に害悪だと僕は思う。
金属線を通しての補強だったりパテの使い分けや裏打ち、後ハメ加工などといった個々のノウハウに関しては自分の血となり肉となっているので、そのあたりにはすごく感謝しているけどね。
#専攻も産業翻訳の学習も、全く別の分野で役に立っているので無駄にはなっていなかったけれど、まぁこれは余談っすよね。
最近だと部分塗装を結構推しているらしく、近年のMGとかの色分けを考えると実際合理的なんだけど、これも同時に「筆塗りで全塗装を行うのは難しい」という先入観を読者に与えている面は少なからずあるんじゃないかな。
ただ、始めたばっかの人が塗料を揃えるにあたって部分塗装だとまずは最小限で済む、ってのは裾野を広げるためにすごくいいメリットだと思うわ。
初心者が入ってこれないとそのジャンルは本当に死ぬ。
自分では死んでいないつもりでも生きたまま腐り果てる。
結局、面積やパーツ数が増えれば増えるほどめんどくさいだけで、ある程度の品質のものを筆塗りで全塗装すること自体は別段難しくはないんじゃないかと、まともに初めて1年以内のズブの素人の僕は思う。
強いて言えば筆先のブレを抑えるために体幹はしっかりしていたほうがいいとは思いますけどね(脳筋)
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今はツールを出している各社の努力のおかげで、どの工程も効率的に進められるようになっている、とこれは強く感じる。
初心者ほどPCのスペックはケチるな、じゃないけど20年来の苦手意識を克服できたのは自分がド素人なのを自覚してしっかりツールに頼ろうという姿勢を取ったからだと思うわ。
中学~大学の頃の自分だったら妙な自意識が邪魔をしてこうはならなかったろうね。
さて、あと何体塗りゃいいんだ?wwwwww
当分塗る対象には困らんぜこれはwwwwwwwwwwwwwwwwww
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