Dystopian white


「現実と非現実の境界を、曖昧に」


今回はTwitterでの投稿によるコンペの参加を目的とした制作だったので、最終的な撮影イメージをある程度固めてから逆算する形で塗装・加工を進めています。



撮影のコンセプトは「レンダリングされたハイエンドCGモデル」になります。
開放的だが現実味のない空間に素材感の違い、主に光沢が意識されるような形でTAMOTUを配置したい。
つまり光沢が生きてくる形で塗装を進める必要があるし、光沢に意識が行っても問題ない品質で表面を仕上げる必要がある。



塗装のコンセプトは、「なんかこう、ディストピアっぽいSF映画でよく見かける気がする樹脂っぽい外装の白くてつるっとしたロボット」(長い‥)です。
ただ、塗装するにあたって参考にすべくそんな感じの作品を探してみたものの、Portalのメカとかストームトルーパーくらいしか見当たらんかったんですよね。あるぇー?

画像を拾えた中で一番塗装プロセスの参考になったのは、まぁ、便器でした。ホントごめん。



僅かに青みを帯びた深く白い光沢にするために、ニュートラルグレー1くらいの白さに調整した白サフの上にクリアーホワイトをたっぷり吹いています。
通常であればプロユースシンナーが優秀なのでEXクリアーをハセガワのセラミックコンパウンドで軽く磨けば十分なんですが、今回は途中で1回神ヤスの高番手を挟んでもう1回EXクリアーを吹いたところを研ぎだしています。
なんせ白なので黒やメタリックなキャンディ塗装のようにわかりやすい「すっごい映りこむ!」って感じにはなりませんが、ちゃんと映り込みの文字が読める仕上がりになりました。



内部のフレームは黒色アルマイト感が大好きな黒サフで、ライト周辺など発熱しなさそうな個所はFRPっぽくなるようニュートラルグレー5を用いています。

前後のちっこいランプはブルーとオレンジですが、とにかく発色が欲しかったのでそれを意識して下地を挟み、蛍光ブルーグリーンと蛍光オレンジを吹いています。



後方ランプはガイアノーツのクリアーレッドを用いました。
えげつない発色ですが染料系クリアーなので上位層にブリードするのが唯一の弱点。
でも今回は関係ない!最高!

アームの先端はアクセント兼コーションカラーとしてオレンジを持ってきました。
現実のクレーンのフックもくっそ目立つ蛍光色だったりするので、ここも蛍光オレンジを上から吹いてもよかったかもしれませんね。

あと今回シャーペンによる部分塗装、もといペン入れを覚えたので導入しました。
いいっすねこれは。
塗りムラも出ないしアクセントとして目立ち過ぎない絶妙なラインになってくれます。


さてようやく本体の制作。

作業期間が短い関係で整面後にヒケてもいやなので、白い外装の合わせ目処理は流し込み接着剤は使わずすべて瞬着パテにしました。
切削性のこと考えると本当は流し込みの方が好きなんですけどね。



外装・内部フレームともに目につく面はすべて整えて、CGモデル(偽)としての説得力を確保することを意識しています。
実際整面してみるとなんだかんだで面のうねりはあるので、それが全部消えるとホント気持ちよくなりますよ。

外装はまず単独で整面していますが、組みつけた状態で曲面の連続性を意識しながら改めて微調整しました。
特にA-12とその隣接面はここが気持ちよく面がつながるかどうかで最終的な仕上がりが大きく変わってくるので、そのあたりを特に意識して整えました。
余談ですけどA-13とA-14のパーツの接続部の線のつながりと公式の画像からすると、A-13はほんの僅か浮いたくらいの組みつけ状態が本来の設計なんじゃないですかね。




制作期間は1か月弱、今回はコンペの参加前提ということもあり、レギュレーションに違反しないよう妙なところで気を遣う制作でした。
プラ板によるディテール追加は明らかなNGにしても、外見変更を伴わない整面のためのプラ板貼りはOKなのかどうか、とか。

ところで塗装後になってから発覚したんですけど、塗膜込みだと特に脚部周りの軸のクリアランスがかなりシビアなのでかなり念入りに調整しておいたほうがいいです。
できれば塗装前の段階で。


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カラーレシピは以下の通り


外装(白):白サフ(G)+EXシルバー(G)少量→EXクリアー(G)→クリアーホワイト(C)
外装(黒):ニュートラルグレー5(G)
内部フレーム:黒サフ(G)まま
シリンダーなど:EXクリアー(G)→ダークステンレスシルバー(G) ※トップコートなし
その他金属部:チタンシルバー(Ta)またはHBシャーペン
ライト(ブルー):EXシルバー(G)→白サフ(G)→白サフ(G)+純色シアン(C)少量→蛍光ブルーグリーン(G)
ライト(オレンジ):EXシルバー(G)→白サフ(G)→エヴァオレンジ(G)→蛍光オレンジ(G)
タイヤ:ゴムブラック(S)
※外装(白)以外黒サフ(G)下地


スミ入れ

たぶん全部:スミ入れ用ブラック(T)


トップコート

外装(白):EXクリアー(G)
その他:EXフラットクリアー(G)


(C):クレオスラッカー系
(G):ガイアノーツラッカー系
(T):タミヤエナメル系
(Ta):タミヤアクリル系

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