Destination unknown


"信じられないだろうが、
彼女はスペックの上では何一つ特筆すべき点は見られない"



元英国空軍、現欧州連合統合軍所属
スティレット "ロイス"

50年以上欧州の空を守り続けているフレームアームズガール。
とっくに教導隊や後方に移っていい年数だが、彼女はそれを望まない。

実地テスト段階という条件ではあるものの、SRUのバーゼラルドとの模擬戦は全勝。
フレズヴェルク=アーテル "ザラ"が着任早々に吹っ掛けた1on1を膠着状態に持ち込んだ。
真に恐ろしいのは彼女が「本当にただ永く戦っているだけの一般のスティレット」だということである




最前線で飛び続ける彼女には自然と愛称も増えていった。

"THE GRAY PHANTOM" "STRATOMANCER" "S3--Something with a STYLET-like Shape"など文書での引用が確認されているものだけでも100以上の愛称で畏敬を込めて呼称され、ギネス記録としては破られる気配はない。




スティレット改修プランXF-3のテスター編成にあたり、真っ先に指名されたのも彼女である。



副官に当たるザラとの関係を「狂犬と飼い主」と評する向きもあるが、ロイス彼女自身の闇は驚くほど深い。
ザラが可愛く見えるくらいに。

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新造の追加パーツに対してオリジナルのスティレット由来のパーツはモールドが浅い個所も多いため、全身にわたってスジボリを掘り直してから整面してます。
この順番で作業しないとモールド起こし直したくても浅くなっちゃって作業負荷が一気に増えますね。

金型がだいぶ疲労してるっつーのもあるかもしれませんが、抜きの方向でもともと浅い場所とかもけっこうあるのでそのあたりは抜かりなく手を加えました。






今回胸アーマーのインテーク部分は肉抜きして裏打ちしました。
説得力のある深さになって大変ようございました。
ミニ四駆で無駄に肉抜きしては破損させていた小学生の頃の日々は無駄じゃなかったんだ‥!


アーマー中央の3本のラインは線材でディテールを強調しています。
これはXF-3版も同様。
肩前後の白のラインは今回はちゃんとごまかさず塗装できました。やったぜ。



背部ブースターなど地道にマスキングして原則設定に準拠した色分けとしています。
肩のブレードは中央のヒケがでかいのでしっかり処理しました。

そういやよく見ると公式設定の時点でオリジナルのスティレットとXF-3でブレードのカラーパターンが違うんすよ。
今回はXF-3準拠としました。
生産時期・エリアによって差異があるっつー解釈でいいと思うよ!



スティレットの脚部は見せ場の一つですが過剰にディテールを追加しても浮くだけなので、不足分を補う形で手を入れています。

すねや膝アーマー、足の甲の裏側などなんか足らんなと感じる場所を一つずつ潰しています。



ひざや靴などは1作目のスティレット同様、硬質ゴム素材というイメージでたるくならないように留意しながらエッジを落としました。
ひざ下部の円形ディテールは掘り直してもよかったんですが、すり鉢状の穴に整形後に裏打ちしました。

各所のレッドポイントは0.25 x 0.5mmプラの線材を塗装して、本体塗装後にあとから接着する形で凸ディテールになっています。
適用したい箇所を先に0.7mmのラインチゼルで掘っておくと埋め具合の調整ができます。
ホワイトによる同様のアクセントはサフを吹くより前の段階で接着。
こちらはあとからホワイトグレーをエナメルでちょんちょんとするだけでいいので。



背部ブースター各所の3mm穴はしっかり緩めたディテールカバーをかぶせてあります。
ランディングギア部の3点はセラミックアンテナ扱いとしました。



キャノピーの処理はいろいろ考えましたが、アメジストパープルを周辺にルビーレッドを中央に吹いて研ぎ出しました。
結果的にリアリティと異質感をダブルで獲得できて大成功。



ガトリングのセンサー部は黒下地にダイソーのパールカラーおりがみで対応しました。
追加した2mmだっけ?パイプの奥に位置しますがしっかり光を拾ってくれます。




ニュースナイパーライフルのセンサー部も同様の加工。
ちなみにエナメルシンナーで希釈したボンドのGクリヤーで接着しています。




ヘッドギアの額部分はしっかり研ぎだしたので深みのあるいい鏡面になってくれました。
ヘアバンドも当初はツヤ消しか半光沢くらいにするつもりでしたが、おもいっきし研ぎだしたおかげで樹脂っぽいカチューシャ感が出てすっげーいいです。

上部中央の白のラインは埋没しないように線材で一段高くしました。
髪はショップ特典のクリアー版。
アーキテクト制作時に純色シアンとマゼンタの混色で作っていた色が余っていたので、それでサフレスにグラデーション塗装しています。



スカートは部分塗装の流れでクリアーを吹いた際に「ああこれマトリックス的でアリだ、全然アリだわー」ってそのまましっかりクリアーを吹いて研ぎだしする流れになりました。
いいっすよねトリニティのコート‥



これが世に言う股監督アングルッッッ
サフレスでストライプをマスキング後塗装、轟雷の時同様にスミ入れ用のグレイで全体のトーンを整えました。
スミ入れ用グレイは清潔感を損なうことなくシェーディングできてほんとおすすめです。



フェイスパーツはフレズヴェルク ビキニver.のものをリタッチする形です。


具体的には眉毛とチークを消して上まつ毛のラインを削り、まつ毛と虹彩を描き直しました。
フレズヴェルク=オルキヌス "クローネ"と共用できるようになるべく通常フレズの目に寄せるデザインにしました。
あと上半分のハイライトはなくし、虚ろ目にしています。
当初は虹彩は蛍光ピンクで描き直す予定でしたが、「濁った瞳いいよね」「いい…」って議論の結果彩度は上げませんでした。

チークはヤンデレ風メイクを参考に、通常よりも赤みの強い色を目元から伸ばす形で入れました。
まぁチークっつーよりアイシャドウですね。
頬の頂点のハイライトは雰囲気合わんやろってんで入れてません。


結果、

性 癖 ド 直 球 の 表情になりました。

凄みのある笑顔最高☆(ゝω・)v



デカールはハイキューパーツのグレーをメインに使用しました。
当初はスティレット付属のデカールも使用する予定だったんですが、今回のトーンに合わせるにはあまりに白の純度が強くてどうあがいても浮くので泣く泣く諦めました。

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今回はフレームアームズガールよりスティレットXF-3を制作しました。

特に必要も感じなかったのでネオジムに置き換えたりは今回は全くなし。
せいぜいライフルを追加したくらいで、ひたすら基本的な工作に終始しています。
とにかく精緻さを高めて一つ上のスケールを目指すことを最優先。
分かりやすい派手さやボリュームはないがこれでいい。

スティレットを制作するのは2017年3月から約2年半ぶりになりますが、当時技術的にできなかったこと、やればよかったこと、あとから気づいたこと、そういったことを思いつく限り盛り込んだので自身の成長度合いを測る最高の鏡になってくれました。


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カラーレシピは以下の通り

装甲(メイン):メカサフライト(G)
装甲(白):ニュートラルグレー1(G)に純色シアン(C)数滴
装甲(黒)・手:ニュートラルグレー5(G)
スラスターなど接続用フレーム:メカサフスーパーヘヴィ(G)
武装・手首・素体グレー部分:メカサフヘヴィ(G)
ひざなどゴム部:ゴムブラック(S)
スカート・インナースーツ:黒サフ(G)まま
ひじ・かかとなど:EXクリアー(G)焼鉄色もどき(レシピ忘れた)
スラスター:EXクリアー(G)→スターブライトアイアン(G)
背面タービン吸入口:EXクリアー(G)→スターブライトジュラルミン(G)→スミ入れ用ブラック(T)でシェーディング
3mm穴塞ぎ:EXクリアー(G)→ダークステンレスシルバー(G)トップコートなし
キャノピー:EXクリアー(G)→周辺部にアメジストパープル(C)→中央にルビーレッド(C)
各部ライン(白):ホワイトグレー(S)
各部ライン(赤):白サフ(G)→ペンキレッド(G)
髪:EXクリアー(G)→シャドーに純色シアン(C)+純色マゼンタ(C)
チョーカー:EXクリアー(G)→スミ入れ用グレイ(T)でシェーディング→ムーンストーンパール(C)
パンツ:EXクリアー(G)→マスキング後ブルーグレー(G)→スミ入れ用グレイ(T)でシェーディング



※髪と肌、手、パンツ、チョーカー、各部ライン以外黒サフ(G)下地
※肌と手は脱脂後にミッチャクロン→EXクリアー(G)


スミ入れ

白と黒の境界:スミ入れ用ブラック(T)
装甲:ジャーマングレー(T)

トップコート


装甲・スラスター関連:EXフラットクリアー(G)
肌・髪・手・ゴム部:スーパースムースクリアー(C)
ヘッドギア・スカート・前腕下部・キャノピー:EXクリアー(G)→液体コンパウンドで研ぎ出し→レジンコート

(C):クレオスラッカー系
(G):ガイアノーツラッカー系
(T):タミヤエナメル系
(S):自作カラー

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